あんず林のどろぼう

今週のお題「読書感想文」(らしい)。

今週のお題というものに挑戦したことがなかったのだけど、ふと書いてみたいことがあったので、初挑戦!

小学校6年生の頃、国語の教科書に『あんず林のどろぼう』という話が載っていた。
その授業内で、この話についての感想文を書かされた記憶がある。

以下、私が覚えている限りのこの話のあらすじ↓↓↓

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あるところにどろぼうがいた。
このどろぼうは、3年もどろぼうになる為の研究をし、完全犯罪を成し遂げる腕を持つ程のどろぼうになった。

ある朝、ひと仕事終えたどろぼうは、お腹が空いてあんパンと牛乳を買ったが、それをどこで食べようか?と迷っていた。

公園などで、朝っぱらから高級な身なり(盗みを働いて手に入れた服装)で、あんパンなどを食べていては、おまわりさんに怪しまれてしまうかもしれないので、どうしようかとさ迷っていた。

そしていつしかどろぼうは、満開に咲いたあんず林に迷い込んでいた。

すると、一つの木の下に、何かが置かれていることに気付いた。

近付いてみると、それは赤ん坊であった。

赤ん坊の傍には手紙があった。
「こんなあんず林の中に来られるあなたは、きっと心の優しい方だと思います。私は、事情があってこの子を育てることができません。どうか、この子を育ててやって下さい。お願いします。」

と、手紙には書かれていた。

赤ん坊を抱き上げると、その赤ん坊は、どろぼうに笑いかけてきた。

すると、どろぼうの目から涙が溢れた。。

どろぼう本人が、その事に驚き、何度も自分に言い聞かせた。
天下一のどろぼう様である俺が、泣くなんておかしいじゃないか。。
けれど、涙は止まらない。

どろぼうには、お父さんもお母さんもいません。友達もいません。犬や猫はどろぼうを見ると、うなり声を上げます。

(とにかく、どろぼうは今まで、誰かに親切にしてもらうようなことがなかったらしい)

どろぼうは持っていた牛乳を口に含み、赤ん坊に口うつしで飲ませてやった。

そして…どろぼうは、着ていた服と靴を脱ぎ捨て、ただ一人、赤ん坊だけを抱いて、あんず林から去って行きました。。

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というお話。

授業中に、先生が皆の感想文を読み上げていたのは、チラホラ覚えている。

去って行った…というところで終わっていたもので、その後のどろぼうと赤ん坊の関係性に思いを馳せた感想を書いていた子が多かったように思う。

肝心の自分自身が、この話の感想文として何を書いたのかは、さっぱり記憶がない💧

けれどこの話を読んだ事で、私は

「どんな人にでも事情がある」

という事を、都度考えるようになった気がする。

どろぼうにも。
そして、赤ん坊を置き去りにした母親にも。。

それが決して、肯定できることではなかったとしても。

どんな児童書にも、伝えたいメッセージが必ずあるものだと思う。

私にとって、この『あんず林のどろぼう』は、自分の人格に影響を与えてくれた作品の一つだったよな~と、今になって改めて思う。