道で出会った、たくましいおばあちゃん

昔から、歩いているとお年寄りに道を聞かれる頻度がなんだか高めな私。

祖父母と同居の環境で育ったせいか?
それが何かしらのオーラとして出ているのか?どうかは分からないけれど。。

今回はその中でも、特に印象的だったおばあちゃんの話。


あれは6年前の冬のある日、出先から家に帰ろうと、私はイヤホンで音楽を聴きながら歩いていた🎧

立ち止まってiPodを触っていたら
「おねえちゃん!」
と声をかけられた。

声の方を見ると、お年寄り用の乳母車?と言うか、荷物を入れたり、座ったり出来るカートを押した小柄なおばあちゃんだった。

歩くことにくたびれた様子で
「腕組んでくれへん?」
と言われた。

道を聞かれることはあっても、こんなことを頼まれたのはさすがに初めてだったが、瞬時におばあちゃんの状況を悟った私は、あ!はいはい、とおばあちゃんの左腕に自分の右腕を絡ませて歩き始めた。

…ところで、どこへ行くのか、、

私「どこまで行くの?」
おばあちゃん「◯◯スーパーまで」

なるほど。声をかけられた道の先にそのスーパーはあって、そこから少し上りの坂道になっていたので、こりゃ厳しいぞ!となったところへ、たまたま通りがかった私に助けを求めたようだった。

ちなみにそのスーパーは、安くて有名。
少し戻った所に大きなスーパーがあったから、そっちはどうか?と提案したが
「あそこは高いからあかん!」
と一喝😓

私「独りで暮らしてんの?」
おばあちゃん「弟と二人暮らし!」

きっと、少ない年金でやり繰りしてるのかな?

私「おばあちゃん、いくつ?」
おばあちゃん「きゅーじゅーに!」

祖母の年齢と近かったので、干支に換算して
私「とり年?」
おばあちゃん「よー知ってんな!」
この年代の人、干支で年数えるの好きなんよな😅

私「うちもねぇ、97歳のおばあちゃんいるけど、今風邪ひいて寝てるんよー」
おばあちゃん「あー!寝込んだらあかんわ!」

どうやら私の話にはあんまり興味がない😌

少し歩いて、歩くスピードはこのぐらいでいいかな?速いかな?と思ったので

私「歩くん速い?」
するとおばあちゃん、立ち止まって息を切らしながら「なんやて?💨んぁー?!💨」

どうやらおばあちゃん、耳がだいぶ遠い…👂

私「いや、なんでもないよ」

とにかくスーパーまで辿り着くのに必死なおばあちゃんに、しょうもないことを聞くのはやめた。

スーパー手前には交差点があって、車も多いが、横断歩道がまっすぐスーパーまで伸びておらず、横断歩道に沿って行くとなると、信号を2回渡ることになる。

すると、平気で横断歩道を無視して斜めに突っ切ろうとするおばあちゃん💧
ただでさえ息を切らせて歩いてきたところへ、とても横断歩道に沿って渡る気にはなれないらしい💨

慌てて手を挙げながら一緒に渡る私✋💦

案の定、左から来た車がやむを得ず止まってた。。

こりゃおばあちゃん、一人やったら危なかったぞ…😌

渡りきったところで「もうええよ!」と言われたが、物はついでやと思った私は
「うん、入り口まで行こな」と、入口まで付き添った。

「ありがとう、おねえちゃん✋」

と、あっさり別れてスーパーへ入って行くおばあちゃん。

しばらく見送ってると、スーパーの入り口入ってすぐ、高く積み上がった買い物カゴに手が届かなかったおばあちゃんは、傍にいたおじさんに
「おにいちゃん、カゴ取って!」と指示し、カゴを取ってもらっていた。

おばあちゃんの不思議な魅力?魔力?に、おじさんは笑いながらカゴを取って、周りにいた人たちも笑顔😄

そのたくましさに、感動した私。。

人間、誰しも長生きすれば思うように動けなくなる時が来る。
それをなかなか受け入れられないのが普通なんじゃないだろうか。
私自身、自分がそうなった時、受け入れられる自信はあまりない。。

けれどそれを受け入れ、頼れるところは堂々と人に頼り、強く生きてるおばあちゃん。

身内や知り合いならまだしも、通りがかりの人にまで声をかけて助けてもらうのは、大したものだと思う。

そして、私にスーパーの中までついてきて欲しいとは頼まなかったことからしても、頼り過ぎることなく、相手の負担にならない範囲も心がけているように感じる。

気丈さがあり、いろんな意味で、自立・自律が出来ているおばあちゃんだったと思う。

ほんの数分の出来事だったけど、不思議と心がポカポカする出会いだった🌞